【VCF Operations HCX インストール手順】
VCF Operations HCX は、オンプレとクラウドをつなぐ強力なハイブリッドクラウド基盤です。
その中心となるコンポーネントが HCX Manager です。
本記事では、VCF 9.0 の HCX Manager のインストールから HCX Connector の有効化までを解説します。
なお、4.11 までのバージョンでは VMware HCX という名称でしたが VCF9.0 では VCF Operations HCX という名称に変更されているようです。
また、VCF9.0 では HCX を Workload Mobility と表現されています。
[Workload Mobility]
https://techdocs.broadcom.com/us/en/vmware-cis/vcf/vcf-9-0-and-later/9-0/workload-mobility.html
1. HCX Manager インストール概要
インストールは以下の流れとなります。
- OVA のダウンロードとデプロイ
- HCX Manager の初期設定と有効化
- HCX Connector のアクティベーション
これらを順番に実施することで、HCX の移行機能(vMotion、RAV、ネットワーク延伸など)を利用できるようになります。
従来の HCX とおおまかにインストール手順が異なることはございません。
ただ、従来は Cloud 側と Connector 側で OVA ファイルが異なっておりましたが、HCX9.0 では同一の OVA ファイルとなります。
2. デプロイメントの種類とワークフロー
HCX Manager の導入先によってワークフローが異なります。
- Public Cloud(例:VMware Cloud on AWS、GCVE)
→ クラウド事業者が HCX Cloud Manager を提供、ユーザーは HCX Connector をオンプレに展開。 - vSphere Private Cloud
→ オンプレ側に Connector、クラウド側に Cloud Manager をそれぞれデプロイ。 - VMware Cloud Director Private Cloud
→ Cloud Director 環境に統合する形で HCX Manager を配置。
本記事では Cloud 側もオンプレを想定し構築します。
3. HCX Manager OVA の入手方法
HCX の OVA は Broadcom サポートポータルからダウンロード可能です。
サポートポータルからのダウンロード方法に関する KB142814 がありましたのでこちらを参照してください。
[Download Broadcom products and software]
https://knowledge.broadcom.com/external/article?articleNumber=142814
VMware HCX からは辿れず、VMware Cloud Foundation から探す必要がありました。
4. OVA のデプロイ手順
手順
- vSphere Client にログインし「OVF テンプレートのデプロイ」を選択します。
ダウンロードした OVA ファイルを選択します。
- 「名前とフォルダの選択」より仮想マシン名と保存場所を選択します。
- 「コンピューティング リソースの選択」より保存先のクラスタを選択します。
- 「詳細の確認」より「次へ」を選択します。
- 「使用許諾契約書」より同意にチェックを入れ「次へ」を選択します。
- 「ストレージの選択」よりストレージを選択します。
必要に応じて仮想ディスクフォーマットを変更します。
- 「ネットワークの選択」より管理ネットワーク接続に使用するポートグループを選択します。
- 「テンプレートのカスタマイズ」より各種項目に必要な情報を入力します。
インストール要件およびその後に運用において、DNS による名前解決や NTP 同期は必須となりますので事前に各種サーバの設定が完了している必要があります。
- 「設定の確認」より設定内容が正しいかどうか確認し「完了」を選択します。
5. HCX Cloud Manager のアクティベーション
デプロイが完了したら、まず HCX Cloud Manager をアクティベートします。
- ブラウザで
https://<fqdn>:9443
にアクセスします。
ポート番号が 9443 であることに注意してください。
ログイン情報は OVA テンプレートのデプロイで設定した admin ユーザの情報を利用します。
- HCX をデプロイするロケーションを入力します。
今回は「Tokyo, Japan」を入力します。
- System Name を入力します。
デフォルトでホスト名に [-cloud] が挿入されたものが入力されています。
- インスタンスタイプを設定します。
今回は「vSphere」を選択します。
- HCX Manager が接続する vCenter Server と NSX Manager の情報を入力します。
Cloud 側は NSX 環境が必須となります。
- インポートするサムプリントが提示されますので「IMPORT CERTIFICATE」を選択し次へ進みます。
- SSO のソースを入力します。
今回は手順6. で設定した vCenter Server を指定します。
- VCF SSO を設定します。
今回は省略しますので「CONFIGURE LATER」を選択し次へ進みます。
- Public Access URL を設定します。
通常は HCX Manager の URL となります。
- 確認画面が表示されます。
設定内容に間違いがなければ「RESTART」を選択します。
- Dashboard が表示されるとインストール作業は完了です。
6. HCX Connector のインストール
次に、オンプレ側の HCX Connector をインストールします。
以前とは異なり、デプロイ時に使用する OVA ファイルは Cloud と同様になります。
そのため、インストール時に指定する項目は Cloud 側のデプロイ時と同様となりますので本記事では割愛します。
7. まとめ
本記事では、HCX Manager のインストール手順 をまとめました。
- OVA をダウンロードして vSphere にデプロイ
- Cloud Manager をアクティベート
- Connector をアクティベート
- 後続の Site Pairing / Service Mesh 構築へ
ここまで完了すると、Migration や Extending NetworksといったHCX の主要な機能の設定に進めます。
主要な設定を進めるために、Cloud – Connector 間でサイトペアリングを確立する必要があります。
次の記事ではサイトペアリングの設定方法を記載します。
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