Migration – Replication Assisted vMotion Migration

HCX

HCX が提供する Migration 方式は以下の 4 つです。

  • vMotion Migration
  • Bulk Migration
  • Cold Migration
  • Replication Assisted vMotion Migration

本記事では Replication Assisted vMotion Migration を記載します。
また、レガシー環境からの移行を想定し HCX4.11 から HCX9.0 環境への移行を想定しています。

1. Replication Assisted vMotion Migration

従来の vMotion や Bulk Migration では、移行元と移行先の環境条件（ネットワーク遅延、帯域幅、ストレージの種類など）によっては、移行時間が長くなる、または 一時停止時間（ダウンタイム）が発生する、といった課題がありました。
これを解決するための移行方式が Replication Assisted vMotion（RAV） です。

RAV は、名前の通り「レプリケーション」と「vMotion」を組み合わせた移行方式です。
HCX が提供する 移行技術の中で最も高度かつ効率的なモード と言えます。

RAVは以下のようなシナリオに最適です。

  • サービス停止をほぼ許容できない ミッションクリティカルなシステム
  • 遠隔地データセンター間 のVM移行（高レイテンシ環境）
  • 大容量ディスク を持つVMの段階的移行

2. 移行の流れ

① 初期同期（Initial Sync）

HCXがソース側のVMをターゲット側へレプリケーション開始。
以降、変更データのみを差分転送します。

② 継続同期（Delta Sync）

レプリケーション中もVMは稼働を続け、差分が定期的に更新されます。

③ 最終同期（Switchover）

移行ウィンドウに合わせて最終同期を実行。
この間に数秒程度の一時停止が発生します。

④ 起動・検証（Cutover & Validation）

移行先サイトでVMを起動し、稼働を確認。完了後、旧環境のレプリカは削除されます。

3. Mobility Group 設定

Migration 設定は「Mobility Group」とよばれるオブジェクトを作成してスケジューリングします。

  1. Migration → Mobility Groups より「NEW MOBILITY GROUP」をクリックします。
  2. 画面上部にて移行先のリモートサイトを選択します。
    複数のサイトのペアリングしている場合は候補が表示されますので対象のサイトを選択します。
  3. 移行対象の仮想マシンを選択し、右上の「SELECT」をクリックします。
  4. 以下の項目を入力または適切な内容を選択します。(Mandatory: Compute Container)
    →移行先の ESXi ホストを選択します。(Mantatory: Storage)
    →移行先のストレージを選択します。

    (Migration Profile)
    →移行方式を選択します。
    ここで Replication-assisted vMotion を選択します。

    (Mandatory: Select Destination Network)
    →移行先で接続するポートグループを選択します。

    各項目を設定したら画面右下の「VALIDATE」をクリックすることで設定内容を検証することができます。
    問題なければ「GO」をクリックして移行を開始します。
    すぐに実行しない場合は「SAVE」をクリックし画面を閉じます。
    作成した Mobility Group は Migration 画面に一覧として表示されます。

  5. 移行の進捗は確認したい該当の Mobility Group 名をクリックし、「Events」タブをクリックします。
    vSphere Client のタスクでも進捗を確認することができます。
  6. 移行の完了後、リモートサイトの vSphere Client から対象の仮想マシンが移行されていることが確認できます。

    4. Reverse Migration

    前段では Connector → Cloud 方向の RAV を実行しました。
    今度は Cloud → Connector の Reverse Migration を試してみます。
    注意点として、Cloud 側からの操作と思いがちですが Reverse Migration でも同様に
    Connector 側からの操作が必要となります。
    試しに Cloud 側から操作を試みると、エラー表示になっており設定ができないことがわかります。

    1. Migration → Mobility Groups より「NEW MOBILITY GROUP」をクリックします。
    2. 画面上部にて移行元のリモートサイトを選択します。
      複数のサイトのペアリングしている場合は候補が表示されますので対象のサイトを選択します。
    3. 画面上部の Reverse Migration にチェックを入れます。
      チェックを入れると画面中央の仮想マシン一覧が Cloud 側の情報に切り替わります。
      移行対象の VM にチェックを入れ「SELECT」をクリックします。
    4. 以下の項目を入力または適切な内容を選択します。
      移行先の情報は Connector 側となります。(Mandatory: Compute Container)
      →移行先の ESXi ホストを選択します。(Mantatory: Storage)
      →移行先のストレージを選択します。

      (Migration Profile)
      →移行方式を選択します。
      ここで Replication-assisted vMotion を選択します。

      (Mandatory: Select Destination Network)
      →移行先で接続するポートグループを選択します。

      各項目を設定したら画面右下の「VALIDATE」をクリックすることで設定内容を検証することができます。
      問題なければ「GO」をクリックして移行を開始します。
      すぐに実行しない場合は「SAVE」をクリックし画面を閉じます。
      作成した Mobility Group は Migration 画面に一覧として表示されます。

    5. 移行の進捗は確認したい該当の Mobility Group 名をクリックし、「Events」タブをクリックします。
      vSphere Client のタスクでも進捗を確認することができます。
    6. 移行の完了後、ローカルサイトの vSphere Client から対象の仮想マシンが移行されていることが確認できます。

      まとめ

      Replication Assisted vMotion（RAV）は、
      HCXが提供する移行モードの中で最もバランスの取れた選択肢です。
      事前レプリケーションにより、短時間で安全に移行 を完了できる点が魅力です。

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